project -出口をひろげる-

「めぐる布市」出口を広げるプロジェクト2024 感謝と幸福の輪を広げる「こども支援 ボランティア かすみ草」

 

布の循環量を増やし、リユース品を活用する人を増やすために始まった「めぐる布市」出口を広げるプロジェクト。今回ご紹介するのは埼玉県富士見市を中心に活動されている「子ども支援ボランティア かすみ草さんです。

主婦10名で構成され、全国10か所の乳児院や埼玉県内の母子支援施設、富士見市の福祉課を通じて貧困家庭の方へ実費で購入した文房具や洋服に加えて、手作りのベビースタイや入学グッズなどを寄付しています。

代表の坂口久身江(さかぐち くみえ)さんが現在の活動を始めたのは20年前の2004年のこと。
知り合いの方が代表をされている富士見市の国際交流センターに来る子どもたちに、上履き袋や体育着袋などの入学グッズを作って寄付したことがきっかけでした。

海外から日本に来て住み始めたものの、日本語が話せないことによって入学の時に必要なものを用意できない親子がいることを知ったことで、何か力になりたいと思い入学グッズを作り始めたそう。

 

入学グッズに使用する布は実費で購入。時間とお金の捻出に苦労することもありましたが、できる範囲でコツコツと活動を続けています。

 

通学バック、上履き袋、お道具入れ、体育着袋、給食袋をセットにした入学グッズ

活動の幅が大きく広がったのは4年前の2020年。
さまざまな支援活動をしている人とつながる機会があり、他にも困っている方がたくさんいることを知ったそう。

ちょうど活動を広げる余裕があったタイミングで、フィリピンの恵まれない子どもたちに向けて支援活動をする団体の方とつながって文房具を、乳児院の方や母子支援施設(※1)の方とつながりベビースタイや入学グッズなどの、手作り品の寄付を開始しました。

※1 母子家庭のお母さんが生活上の問題のため、子どもの養育を充分にできない場合に、お子さんと一緒に生活できる施設

寄付を受け取る方は物を購入することが困難な状況の方も多いことを考慮し、学校以外のさまざまな場面で使えたり、出来るだけ長持ちする工夫をしています。
例えばトートバッグの場合は使い勝手を良くするために通常より大きなサイズにしたり、耐久性を上げるため裏地をつけるようにしているそう。

裏地をつけたバック

 

一緒に活動する仲間ができたのは、活動を始めて17年目の2021年のことでした。
コロナウイルスが猛威を振るったタイミングで「他の母子支援施設も、もしかたら困っているかもしれない」と思い、知り合いを通じて直接連絡をしました。入学グッズの寄付を提案すると、とても喜んでくださったそう。

活動の範囲を広げ始めたことを周りの友人に少し話してみると、「私に何かできることがあれば」という声が。

次々に手が上がり、気づくと仲間は10人に。

 

「みんなが自発的に文房具を集めたり、布を用意してくれるんです。活動人数が増えたことで出来ることが増えて、支援の規模を拡大することが出来ています」と坂口さん。

 

今では全国10か所の乳児院や埼玉県内の母子支援施設、ふじみ野市の福祉課を通じて貧困家庭の方にも支援を行っています。

乳児院に寄付してるベビースタイ

 

その仲間の一人が教えてくれたことがきっかけで、出口プロジェクトを知ったそう。

コロナ禍の影響もあり布の価格が高騰。少しでも費用をおさえたかった坂口さんにとって渡りに船でした。

プロジェクトを通じてお子さんが喜ぶ柄の素材や、入学グッズの体育着や手提げ袋に使用する紐を受け取っています。

 

今回のプロジェクトを知ったことで、大きな学びがあったそうです。

それはこんなにもたくさんの布が行き場を無くして捨てられるしかないという事実。

今までもどんなに小さなハギレでも活用して手作り品を作るよう心がけていましたが、より布を大切に使おうと思うようになったそうです。

 

出口プロジェクトで受け取ったハギレで使ったハンカチ

 

寄付を受け取った方や施設から、お礼のお手紙や感謝状をもらうことがあるそうです。

「お手紙や感謝状を読むことで、またさらに私に出来る事でお役に立ちたいという思いが強くなりますね。大変な環境に置かれたたくさんの子どもたちに寄り添い、支援出来ることが私の生きがいとすべての喜びです」と力強く話す坂口さん。

 

お手紙や感謝状を受け取る喜びを享受しているのは、坂口さんだけではありません。

仲間一人ひとりが感謝の言葉を見て感激してくださり、それぞれにとってのモチベーションになっているそうです。

 

元々、お手紙や感謝状には坂口さんの名前が記載されていましたが、常々、一緒に活動している仲間に申し訳ない気持ちがあったことが、団体を立ち上げる大きなきっかけになりました。

 

一年前に立ち上げた団体の名前に入っている「かすみ草」の花言葉は感謝・幸福。

 

寄付を受け取った方や施設からの感謝が坂口さんや仲間の幸福となり、また寄付をするモチベーションに。

このサイクルがかすみ草の活動をどんどんと広げています。

これからも多くの方に笑顔を届けるかすみ草の活動から目が離せません。

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めぐる布市出口を広げるプロジェクト2024

 

〈お問合せ〉

認定特定非営利活動法人 森ノオト

ファクトリー事業部(担当:齋藤)

factory@morinooto.jp

 

【この活動は、地球環境基金の助成を受けています】

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