project -出口をひろげる-

百貨店ではじまった、”布の循環”ー横浜髙島屋婦人服マネジャー(開催当時)村田加奈子さん

昨年末、めぐる布市は横浜のシンボル的な存在である百貨店、高島屋 横浜店のクリスマスマーケットに出店しました。

何度も現場に足を運びながら、そのご縁を丁寧につないでくださったのが、企画を担当した村田加奈子さんです。

今回は、その経緯や思いについてお話を伺いました。

 

昨年12月のクリスマスマーケットでめぐる布市(以下:布市)さんとご一緒したのは、私たちとしても新しい取り組みでしたし、大きな経験となりました。

きっかけは、売り場のスタッフが布市さんを教えてくれたことです。

「面白いことをしている団体があります」とホームページを見せてもらったのですが寄付された布を次の使い手へとつないでいく仕組みに、とても可能性を感じました。

その後、青葉台のお店に伺うと、そこではすごく意欲的に布を選んでいるお客様の姿がありました。

山のように積まれた布の中から、自分の一枚を真剣に探されている様子を見て、「これは百貨店でも通用する」と感じました。

百貨店のお客様と同じ、前向きな購買意欲がそこにあったからです。 

 

 

高島屋横浜店では、ちょうど全館で「ツナグアクション」の企画を進めている時期でもありました。

これは環境配慮という枠にとどまらず、人や時間をつなぐという考え方を大切にした取り組みです。

使われないまま眠っている素材に目を向け、次の価値へと「つなぐ」という点で、布市さんの活動は親和性が高いと思ったです。

一方で、百貨店という場でどこまで受け入れていただけるかという不安も少なからずありました。 

 

これまでNPOをはじめとする非営利団体とご一緒することは前例がなく、

さらに継続した取り組みにしていくにはビジネスとして成立させることも大切だからです。

売り上げがきちんと立てられるかについて不安はありましたし、出店期間が長くなるので、準備や運営面でも調整が必要でした。ところが実際にイベントが始まってみると、初日から多くのお客様が足を止めていて驚きました。

会期中を通して客足が途絶えることがなく、今後に向けて大きな手応えを感じることができました。 

 

成功の理由は、布市が単なるリユース品の販売ではなく、しっかりと「編集」された売り場であったことだと思います。

用途別に整理したり、柄を探したくなるようまとめられていたり、美しく整えられている。

そんな布市さんならではの視点を通した提案があるからこそ、お客様も楽しく選ぶことができたのではないでしょうか。

 

また、百貨店は呉服から始まった歴史があり、布や素材に目の肥えたお客様も多くいらっしゃいます。

着物地や反物に関心を寄せる方も多く、リーズナブルな値付けに驚かれる場面もありました。

そうした価値を理解できる方に届いたことも、好評につながったのだと思います。

また、「面白い取り組みだね」と社内の反応も上々でした。

仕事の合間に売り場を見に来るスタッフもいるほどでした。

さらに布市さんを目当てに遠方からのお客様もいらっしゃり、百貨店としても新しい接点をもつことができました。

 

老舗の百貨店と、寄付布を軸にした活動は、一見すると距離があるように思われるかもしれません。

しかし、良いものを大切に使い続けるという価値観は共通しています。

百貨店が活動を広く伝える場となり、布市さんが地域で育ててきた循環をさらに広げていく。

そのような関係が築ければ理想的だと感じています。ぜひ今後も継続的にご一緒できればと思っています。

 

 

 

 

 

あと個人的なことですが、私も布を使ってカルトナージュを楽しんでいます。

箱に布を貼り、好きなレースやボタンでデコレーションするのですが、1点ものの素材で、組み合わせを考えるのはとても楽しい時間ですね。 

 

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横浜髙島屋 婦人服マネジャー(開催当時)|村田 加奈子(むらた かなこ)

株式会社髙島屋 横浜店 販売第3部 婦人服マネージャー(開催当時)。

地域や環境に配慮した『TSUNAGU ACTION(ツナグアクション)』などの企画に注力。

趣味はカルトナージュで素材を活かした手仕事を楽しむ。

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めぐる布市出口を広げるプロジェクト2025

〈お問合せ〉

認定特定非営利活動法人 森ノオト

ファクトリー事業部(担当:齋藤)

factory@morinooto.jp

 

 

【この活動は、地球環境基金の助成を受けています】

 

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