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めぐる布市・出口を広げるプロジェクト2025レポート|ウェルカムベビープロジェクト(横浜市戸塚区)

布の循環量を増やし、リユース品を活用する人を増やすために取り組む「めぐる布市」出口を広げるプロジェクトの3年目。今回ご紹介するのは、「ウェルカムベビープロジェクト」さんの活用事例です。認定NPO法人こまちぷらす内にある、プロジェクト戸塚支部事務局を尋ねました。

出産祝いの巾着キットづくりの参加者とスタッフのみなさん

 

「ウェルカムベビープロジェクト」は、「まち全体で赤ちゃんの誕生をお祝いし、子育てを応援できる社会になること」を目指しているプロジェクトです。赤ちゃんと家族をお祝いする気持ちを込めて、2016年に認定NPO法人こまちぷらすがヤマト運輸株式会社神奈川主管支店とともに横浜市戸塚区で立ち上げました。

2025年度のお祝いの一部。出産祝いの中にはまちの人からの手縫いの「背守り」とメッセージカードも

 

戸塚区内の赤ちゃんが生まれた家庭からお申し込みを受けて、無料で出産祝いを届けています。理念に共感した企業・団体・お店からのプレゼントのほか、まちの人からの手作りのプレゼントもあり、「まちのみんなからの出産祝い」として喜ばれています。戸塚区内の0歳児の約4割にお届けしており、2025年度は約650件にのぼるそうです。

 

2026年度は新たに、「まちのみんなからの出産祝い」として手作りの巾着をプレゼントしようと、みんなで制作を進めることになりました。

 

巾着づくりは、JR・横浜市営地下鉄「戸塚駅」徒歩7分の場所にあるこまちカフェの一室で

 

「布も、人の想いも、笑顔も、すべてが地域でめぐっていくように。」との願いを込めて、めぐる布市の出口プロジェクトで資材の提供を受け、巾着づくりに活用しています。

巾着づくりは、「巾着ちくちくの日」と「巾着キットづくりの日」と分けて、ワークショップ形式で毎月数回にわたって場を開き、多世代の方が初めてでも参加しやすいような工夫がなされています。

取材に訪れたのは「巾着キットづくりの日」でした

 

スタッフの猪谷友子さんに、巾着づくりについてお話を伺いました。

「初めて縫い物をしたい、という方にも縫いやすいレシピを話し合い、縫い方もスタッフやボランティアのみなさんで相談しながら決めていきました。ウェルカムベビープロジェクトのプレゼントを受けとったママが、今度はこの企画に参加して贈る側に回るという循環も目指していることです。その思いと、布の資材をめぐらせるという布市の目指すことが、根っこでつながっているので、スタッフ間でも共感を得ながら進めることができました」

 

赤ちゃん連れの方からシニア世代まで、多世代交流の機会にもなっています

 

数多くの巾着を制作する上で、布を選んで切ったり、合わせる紐を用意したりという下準備は時間のかかる作業です。その工程そのものをイベント化してしまおうと、キットづくりの日が設けられています。

 

スムーズに制作が進められるように、巾着づくりのキットを準備しています

 

出口プロジェクトから提供したおもな資材は、布地や糸、紐など、巾着づくりに活用できる品々でした。新たに巾着をプレゼントに加える上で、試作の段階から出口プロジェクトの資材が役立ったそうです。

 

出口プロジェクトから糸の提供もありました。スタッフの方が布でかわいくデコレーションしたティッシュ箱が糸の収納にぴったり

 

布地は出口プロジェクトからの提供品のほか、地域の方からの寄付布も活用しているそうです。だれに届くかは分からないので、男女どちらでも使いやすいような布地選びや、リバーシブル仕様にするなど、工夫をしています。

 

1点ずつ布合わせから心込めてつくられた巾着

 

活動がおこなわれている「こまちカフェ」には、赤ちゃん連れのお客さんも多く、今回のキットづくりには、赤ちゃん連れの方が何組も参加されているのが印象的でした。9カ月の赤ちゃんのママは「だれかの役に立ちたいなと思って参加しました。キットづくりで、だれかとなんとなく話せるのは気晴らしになります」と話してくれました。

 

また、別の9カ月の赤ちゃん連れのママは「背守りをいただいて大事にしています。今は働いていないので、こういう機会に外に出て人の役に立てるのはうれしいです」と笑顔で語ってくれました。

スタッフの猪谷さんも「ものづくりの場ならではの熱量があり、初めての人同士でも協力し合えるのがよいところです」とにっこり。キットづくりでは、参加者同士で自然と教え合う様子が見えました。

わきあいあいと手を動かす参加者のみなさん

 

上の世代のボランティアのみなさんにも話を伺いました。60代の女性は「私たちが子育てしているときの環境と全然違って、孤独感を味わっているママが多いと感じています。こうした場で若いママと関われて楽しいですし、このギフトを通して、いろんな人が見守っているよ、という気持ちが伝わるといいですね」。70代の女性は「かわいい赤ちゃんにたくさん会えて癒やされます。縫ったり作ったりするのが好きなので、好きなことでお手伝いできるのがうれしいですね」と話してくださいました。


こまちカフェでは、赤ちゃん連れでリラックスして飲食ができる他、手作り作家さんの品々も展示しています

 

「巾着づくりのプロジェクトをゼロからスタートするにあたって、不安もありましたが、出口プロジェクトがあったことで、資材を提供していただいたり、知見をもとに一緒に資材の活用方法を考えてくださったりと、背中を押してくれるように感じました。そこが一番ありがたいことでした」と猪谷さん。

 

贈られる側から、贈る側へーーー。地域のあたたかな思いが循環していく「ウェルカムベビープロジェクト」のものづくり。だれかのもとからだれかのもとへと、“大切にしてきた思い”とともに旅していくめぐる布市の資材が、新たなものづくりのスタートの種になったことをお聞きし、胸があたたかくなりました。

 

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ウェルカムベビープロジェクト本部/戸塚支部事務局

横浜市戸塚区戸塚町145-6 奈良ビル2階 認定NPO法人こまちぷらす内

https://welcomebabyjapan.jp/

https://www.instagram.com/welcomebaby_project/

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めぐる布市出口を広げるプロジェクト2025

〈お問合せ〉

認定特定非営利活動法人 森ノオト

ファクトリー事業部(担当:齋藤)

factory@morinooto.jp

 

 

【この活動は、地球環境基金の助成を受けています】

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