project -出口をひろげる-

「めぐる布市」出口を広げるプロジェクト④ 地域みんなの笑顔のために(町田市成瀬)

布の循環量を増やし、リユース品を活用する人を増やすために始まった「めぐる布市」出口を広げるプロジェクト。今回は町田市成瀬にある寺子屋ごはんのハンドメイドくらぶのみなさんです。

寺子屋ごはんは、地域の子どもたちが、いろいろな大人・仲間・人と関わりながら、のびのびと育つ環境を作っています。一緒に食べる「ごはん」を充実させるために、物や時間をやりくりするちょっとの手間を惜しまず持ち寄り、笑顔が集まる場所になるよう、日々心がけて運営をされているそう。

寺子屋ごはんの中には、サポーター同士が好きなことや挑戦してみたいことを楽しんだり、スキルをシェアしあったり、そしてそれが地域の子どもたちへと巡るように、日々アイディアを出し合う「寺子屋クラブ」があります。
宿題や遊び・クラフト・手芸・木工などのものづくりを楽しみ、一緒に食事をして、のんびり過ごす場所です。

 

 

もっこうくらぶやごはんくらぶなどがありますが、今回、布や副資材をメインで使ってくださる方たちは、その中の一つ、ハンドメイドくらぶです。

 

最初にハンドメイドくらぶの方々にお会いしたのが、めぐる布市の工房にどんなハギレや副資材があるのか、実際に見に来てくださった時でした。工房にご案内した瞬間、準備中のごちゃごちゃした状態にも関わらず、「わぁすごい~」と皆さんの目が大きくなりキラキラしたのが印象的でした。

手芸が好きなんだなと、一瞬で伝わり、嬉しくなりました。

どんな素材が必要なのかお伺いする時間だったのですが、どの素材を見せても、すぐにアイディアが浮かび、「これならあの人があれに使えるんじゃないか」「これはあの人が得意で、これは子どもたちに…」もうなんでも使い道はありますという空気感に、頼もしさを感じました。

 

 

まず、寺子屋ごはんの活動に参加する学生さんなどに使ってもらえるよう、エプロンを7枚。

長尺布で日焼け跡がある布でしたが、そのまま使ってくださいました。

しわになりにくい素材だったようで、洗って干してすぐ使える、と喜びも2倍に。

バックや手提げ袋。

かわいいレトロ柄のキルティングも裏に目立つシミがありましたが、内布を付けてシミは無かったことに。持ち手部分は綾テープを2枚重ねにして、ミシンステッチをかける事で、強度が上がりデザインとしてもグレードアップ。

 


布幅の狭い和柄の端切れで、縦長の手提げ袋に。

(写真)なし

もっこうくらぶで作った作品を持ち帰られるように少し大きめの手提げ袋も作りました。

そこに刺繡用の布をカットしたものに子どもたちに自由に刺繍やビーズ、イラストなどを描いてもらい“お気に入り”にしてもらう予定だそうです。

大きな布袋。すぐ使わない布や毛糸を担当者が自宅に持ち帰り保管するためのもの。

袋口は巾着のように小さく縮められ、扱いやすくとても便利なのだそう。

リバーシブルのマルチクロス。風呂敷のように使ったり敷物としても。

ファスナーポーチやペンケース。写真ではわかりにくいのですが、細かくステッチや刺繍、ビーズ刺繍が施されています。裏と表が違うのも、端切れが生かされているのが伝わります。

少しとろみのある赤とピンクの布は、洋服や小物には扱いにくいものでしたが、梅の花などの装飾にぴったり。年末に子どもたちも参加するしめ縄作りに色を添えました。

とても手触りの良い起毛素材の布は、かわいいクマさんの柄を切り取り、綿を詰めてマスコットになりました。このかわいいクマさんたちは、ケアセンター成瀬の利用者さんたちの手を、いつも温めてくれるマフに付けて、触れることで柔らかい感触を楽しんでもらえるようにという思いを込めて寄付されたそうです。

毛糸は、リリアン編みの要領でマフラーやポンポンアクセサリーが出来ました。道具はなんと牛乳パック。道具の作り方から使い方まで、誰もがわかりやすく始められるようになっていて、私たちも見習いたいところです。

毛糸を何回巻くとどのくらいのボリュームのポンポンが出来るのかを、子どもたちと工夫しながら作っているそうです。

今回寄付の中に、キットになっている物もお渡ししていました。材料が5ミリ以下のフェルトを縫い合わせたりする、とても細かいもの。あっという間に完成されていて、好きだからこそのスピード感にびっくりしました。

このたくさんの写真と共に作品の報告を頂きましたが、思いついたらすぐ取り掛かり形にしていらっしゃる様子。

いつも新しいアイディアと笑顔が、寺子屋ごはんの賑やかで楽しい場所として広がり、地域の方たちが集まりたくなるんだろうな、と感じました。

 

最初に工房に来ていただいた際、お一人の方のかばんについている花のモチーフのブローチが素敵だったので、帰り際に目に留めて話しかけたところ、少しの迷いもなくかばんから外し、私たちにプレゼントしてくださいました。

「また作れる楽しみがあるし、いつもそうしてるのよ」と。

趣味で手芸をやっています、というと、時間が空いたときに少しだけ、なんて思いがちですが、ハンドメイドくらぶのみなさんは、こんな風に、手芸という物づくりが日常になじんでいて、「ちょっとの手間を惜しまず持ち寄る」温かい、心のゆとりを感じました。

 

寺子屋ごはん
https://terakoyagohan.jimdofree.com/

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★めぐる布市出口を広げるプロジェクト★

 

【詳細はこちら】
https://applique.morinooto.jp/works/hirogeruproject_2.html

【映像はこちら】
https://youtu.be/mhZEpyQ3OmQ

【これまでに取材した記事はこちら】

▶ つながる手と手で生まれる染織「クラフト工房 La Mano」(町田市金井)
https://applique.morinooto.jp/project/lamano.html

▶みんなが平等に、好きなものを作ることができる環境を 「荏田東第一小学校 家庭科クラブ」(横浜市都筑区)
https://applique.morinooto.jp/project/edahigashi.html

▶みんなが幸せであるために 「ままリズム ぱぱリズム」(横浜市青葉区)
https://applique.morinooto.jp/project/mamapapa.html

※この出口を広げるプロジェクトは、地球環境基金の助成を受けて活動しています

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